■2006 US Open 2nd Round
A.Agassi def M.Baghdatis 4-6, 4-6, 6-3, 7-5, 5-7
いやぁ。ここまでもつれるとは思いませんでした。第一セット、第二セットはバグダディスのUE(Unforced Error)があってか、ラリーから攻めに転じる前でポイントがついていた感じでした。アガシはUEがほんとに少なく、なおかつサーブが良かったですね。エースも決まってました。第一、第二セットとも第五ゲームで競ってアガシがとりました。
第三セットも同様な雰囲気でしたが、アガシがUEを重ねてサービスゲームを落とし、そのままとられました。このときのバグダディスの吠えている姿はなんとも、ものすごい魂もってるなと感じさせるものでした。
第四セットから、両者ともドロップショットを入れるなど変化をつけ始めましたね。アガシは短いボールを声をあげて精一杯とりにいってました。このセットは、要所でバグダディスのショットがネットにかかり、第一ゲームからアガシがブレイク、さらに次のサービスもブレイクし、アガシの4-0。
しかし、ドラマはここから始まりましたね。バグダディスの不屈の闘志。次のアガシのサービスをブレイク、さらにまたブレイクし、4-4。全観客を敵にまわしてもこの根性はほんとにすごい。このあたりからバグダディスの強烈なフォアがアングルに決まり始めました。この後お互いサービスキープした後、流れにのって第12ゲームアガシのサービスをブレイクし、2セットオール(試合後のインタビューで「このときはもう息が出来なくなってたよ。」と言ってました)。
ファイナルセット第一ゲーム、バグダディスはアガシのサービスをいきなりブレイク。UEの減ったバグダディスがこの流れで一気にいくかなと思いました。が、続く第二ゲーム、アガシ意地をみせる。ラリーで粘ってブレイク。このセットはドロップショットの応酬。走って取ってでお互いサービスキープ。4-4で迎えた第9ゲームアガシのサービス、バグダディスの方が少し余裕があるかなと思った矢先、事件が・・・
ネットに出たバグダディス右太ももをつる!
前のゲームあたりからトレーナーを呼んで左太ももをマッサージしてたので、左足をかばってたのが右足にきたのかなぁと思いました。しかし、ほんとに痛そう。プレー中だったのでトレーナーを呼べずそのままアガシのサーブをうけることに。全く足が動かず棒立ちでサーブを当てるだけのリターン。アガシもやりにくそうでした。ダブルフォルトもありデュースもありでもつれにもつれましたね。試合開始時はアガシを応援してましたが、このあたりから勝敗なんて関係なくなって見てました。人対人って感じなんですよ。ほんとに。バグダディスが足を引きずりながらリターンエースを狙いにいってアウトになっても「あ゛あ゛っ」、アガシがダブルフォルト、ラリーでミスっても「あ゛あ゛っ」と言ってました。結局このゲームアガシがようやくキープ。コートチェンジ中、バグダディスはトレーナーに薬を塗ってもらってましたが、サービスでうまくタメができないのか大きくダブルフォルト。このゲーム、アガシにマッチポイントが来ましたが、薬が効いてきたのかバグダディスの強烈なサーブが入りだし、5-5。もう目が離せませんでした。バグダディスはつった直後より動きは良くなったけど、アガシの厳しいショットに追いついても返せませんでしたね。アガシ第11ゲームキープ。続くリターンゲームをブレイクし、Game Set Match Agassi。
バグダディスのショットがロングになった瞬間、ホッとしたのかそれともバグダディスに気を使ってか、ガッツポーズはなかったです。
試合後はバグダディスがインタビューされてましたね。スマッシュを失敗して苦笑いしてラケットを口にほおばるしぐさや、サーブのときにウェーブがおさまらずしゃがんで”やれやれ”といった表情、なんとも親しみやすい選手です。
バグダディスの後のアガシのインタビューで、マッケンローさんが次の対戦相手を「B(ビー)・ベッカー」と連発していたのが笑えました。