Internazionali BNL d'Italia 2009
Masters 1000
Rome,Italy
Semi final
[3]N DJOKOVIC (SRB) d. [2] R FEDERER (SUI) 46 63 63
負けた瞬間は、ほんとがっかりしました。以前のロジャーならブレイクしたら絶対ブレイクさせないくらいのオーラがありました。それくらい強固なサービスゲームをもっていました。
そのイメージが数年間あったので、この二年間の敗退ゲームでは毎回ショックを受けます。
ロジャーもSF後のインタビューでは「いろいろブレークする機会があった。普段の僕ならその機会を逃してしまうような試合はやらないのに。」と落胆してました。
しかし、ダビングついでに二回目見てみると、冷静になれたのか、ロジャーの今のメンタルの中ではかなりいいゲームをしていると思いました。
それは本人も分かっていて、先の落胆の声がある中でも「厳しい練習の成果もあって、ローマはモンテカルロよりずっとよかった。」と自己評価してます。
ロジャーはこれまでは勝ててきたけれど、2008年の病気、怪我の不運が重なり、加えて周りが急激にレベルアップしたため、今まで以上のメンタルで試合に挑まなければならなくなりました。
08年AOでゴンザレスを破ったクロアチアの新鋭チリッチは、ランキング上昇のきっかけはハードなトレーニングによりメンタルも充実してきたからと述べてます。
トレーニングによりメンタルがともなってくるということですね。
情報によると、ロジャーはローマの前にオーストリアのレフティの選手、ステファン・クーベックとサルディニア島で練習してました。
クーベックはその練習の厳しさに驚いていたようで、「彼はみんなが一般に思っているより、はるかにハードな練習をしているよ。」とコメントを残しています。
ロジャーは今の課題をきちんと分析できていて、「サーブとフォアをもっと改善しなくてはいけない。そのためにはハードな練習以外にない。」とコメントしてます。
最近の1stサーブの確率が悪いことについて、「腰を痛めたことが原因かもしれないけれど、今はサーブが思ったところへ打てていない。この問題はFOまでに何とかフィックスしなければ・・・今の僕にはクレーでやらなければならないことがいろいろある。」と言ってます。
クーベックとの練習内容は、コートの練習の前に、まず朝早く起きてフィットネストレーニング(ウェイトトレーニング?)をし、マッサージを受けて筋肉を一旦ほぐし、その後コートで練習(4時間)したそうです。
半日だけ休みをとった日も、コートで4時間練習したそうです。
見る側としては、ロジャーの状況を何も知らないでやきもきするよりも、こういった本人の率直な意見など聞けることで、少しは楽に応援できるんじゃないでしょうか。
これまでのロジャーは身体に問題が無く、何があっても対応できるメンタルとフィットネスがうまくかみ合っていたので、「負けない選手」として見ることが出来ました。
しかし、今は違うということです。
それをわかってあげて、もう少し彼の課題解決の時期を待ってあげたほうが良いですね。
去年のバーゼルからここ最近優勝してない、まして決勝まであがってないという勝てない呪縛にはまっているため、勝つための勘が働いてないのも事実。そして、相手の打つコースが読めてません。ワンテンポ遅れてボールに反応しています。
それをわかっているのかロジャーは大会前に「SFまで上がれたらいいかな。」とコメントしてます。
この意見にたいしてもファンは十分だよと後押ししてあげると良いんじゃないかなと思います。
1st set(64)
ND K K K K
RF K K K KBK
2nd set(36)
ND K KBKBK
RF BK K
3rd set(36)
ND K BKBKB
RF K KB
ロジャーは2ndセット、3rdゲーム直後の雨天サスペンデッドになったことも含め、「僕はとてもよくプレーできていた。サーブも必要なときは彼にプレッシャーを与えることもできた。あの雨の試合中断は、彼にとっては流れを変えるパーフェクトな瞬間だった。でも雨が降らなくても僕は負けていたかもしれないけれど。」とコメントしてます。
たしかに、雨天明けのジョコビッチのメンタル、執念はすごいものでした。4thゲーム、ロジャーは集中力が崩れずきっちりキープできました。しかし、それをジョコビッチが上回ったようなプレイでした。
ラリーでのディフェンス力が強固になり、ロジャーとしては何も悪くない攻めでしたが、徐々に歯車が崩れ、2ブレイクダウンされました。
3rdセットも入り方は上々で、逆にジョコビッチにプレッシャーがかかっている状態でした。しかし、先にブレイクするもその次のサービスゲームで勝ち急いでしまったのかミスを連発。今のメンタルの状態がよく分かるブレイクバックのされ方でした。
しかし、ロジャーはラリーの中からアングルへのハードヒット、フォア、バックのミスもいつもより少なめで何も悪いことはしてませんでした。
2ndセット同様、5thゲームのブレイクバック後、ジョコビッチのメンタルが上回り、そのまま押し切られたセットになりました。
今回のカルロビッチ戦でのインタビューでは、「取り組んでた長いラリーができなかった。」と残念がってましたが、ジョコビッチ戦では長く良いラリーができてクレーコートでの戦い方が身体に叩き込めたんじゃないでしょうか。
クレーコートでは展開力の勝負よりもをハードヒットをはさんだ長いラリーの根比べが勝利への大きい要素となります。それが試せただけでも十分なゲームだったと思います。